中国に渡航する際「日本から持っていくべきもの」は、コロナ前後でかなり変わりました。
中国入国後の隔離期間はどんどん緩和され、短くなってきています。
集中隔離(ホテル等の施設) | 自宅隔離 | 合計 | |
コロナ初期 | 14日間 | ||
その後 | 7日間 | 3日間 | 10日間 |
2022年12月以降 | 5日間 | 3日間 | 8日間 |
しかし隔離期間の完全撤廃にはまだ時間がかかりそうです。
この記事では、コロナ禍を中国で過ごした筆者が、中国入国後の隔離期間を快適に過ごすため、またその後の生活を考えたうえでの「日本から持っていくべきもの」をお伝えします。
食品
日本の食品を持っていきましょう。
持参した日本食が余ったとしても隔離後の生活に使えるので、食品は無駄になる事はありません。
ホテルでの集中隔離期間中は、ホテルから朝昼夕三食のお弁当が提供されます。
「私は中華が好きだから、三食全て中華でオッケー!」という人もいるかもしれません。
しかし、舐めていると痛い目にあいます。
“隔離あるある”の話なのですが、中華好きを豪語していた知人達も、隔離ホテルの食事にギブアップしています。
例外なくほぼ全員です。
知人女性は、隔離中にカエルの唐揚げが出たそうで、隔離終了後もしばらく中華嫌いになってしまいました。
隔離生活は貴重な経験ではあるものの、ホテルから提供されるお弁当だけを食べ続けることは想像以上に辛いことです。
基本はそのお弁当を食べ、口に合わなかったり日本食が恋しくなったら持参した食料品を食べて、使い分けるのも良いかもしれません。
隔離期間中は、日本のカップ麺が恋しくなります。
知人家族が隔離中の際、差し入れを届けに隔離ホテルに行った事があります。
※ホテルによっては差し入れやデリバリーが可能なホテル、一切禁止のホテルがあります
その際、隔離中の知人にリクエストされたのはミニカップ麺でした。
親子とも中華が好きな家族で、ホテルで出されていたお弁当もそれほどハズレでは無かったのですが、無性に日本のカップ麺を食べたくなったそうです。
隔離ホテルの食事は、朝食は包子やお粥、昼食と夕食はご飯とおかずなので、ふりかけも便利です。
ホテルから出される茹で野菜のおかずに、醤油やマヨネーズなどの調味料をかければ、日本人好みの味になります。
普段お茶を飲まない人でも、隔離ホテルの部屋でじっとしていると、気分転換に飲み物を飲む回数が増えます。ペットボトルの水はホテルから支給されるので、好きなお茶のティーバッグやコーヒーもあれば便利です。
ほかにも、味噌汁やスープの素も、ペットボトルの水を沸かして作ることができるのでおすすめです。
隔離終了後は日本食材で困ることはほとんどありません。
中国には日系食品メーカーが多数進出していますので、ローカルスーパーでも日本食材はかなり揃います。
例えば、以下のような食材は簡単に手に入ります。
- 日清カップ麺
- キューピー製品(マヨネーズ、ドレッシング、ジャム)
- ハウス食品(カレールー、シチュールー、レトルト)
- 明治製品(牛乳、ヨーグルト、菓子)
- 江崎グリコ製品
また、沿海部の都市であれば、日本食材スーパー、イオン、日系コンビニもあります。
さらにネットスーパーやタオバオを使いこなせば、ほとんどの食材は現地調達が可能です。
【中国生活に必須】タオバオ(淘宝)の使い方と注意点医薬品
隔離期間中は気が張っているせいか、あまり体調を崩した人の話を聞いた事がありません。それでも、いつ何があっても大丈夫なように、最低限自分に必要な薬は持参した方が良いです。
日本製の風邪薬・解熱剤・胃薬・頭痛薬は中国の薬局でも日系の病院でも入手不可ですので貴重です。
タオバオで日本製の医薬品を売っているのですが、中国人の身分証番号が必要です。また日系診療所は昔は日本の薬を処方できましたが、現在は禁止されています。
そのため、常備薬は日本から持参しましょう。
酔い止めや虫刺され薬も必要な方は持っていきましょう。
つい最近まで、ゼロコロナ政策のため中国の薬局では解熱鎮痛剤が売っていませんでした。これは発熱しているのに発熱外来の病院に行かず、こっそり自宅で治そうとする人を防ぐためでした。
2022年12月現在、薬局で解熱鎮痛剤が売られるようになりました。しかし、薬局で風邪薬や解熱鎮痛剤の買い占めが起きています。
うがいは日本独特の習慣ですので、海外でうがい薬は見たことがありません。
中国でも使いたい場合は、必ず持参しましょう。
バンドエイドや湿布は中国メーカーの物はローカル薬局に売ってあるのですが剥がれ易く不便です。やはり日本製が便利です。
隔離期間中は毎日検温・報告があるのですが、ホテルから配られる水銀タイプの体温計で古くて見づらかったり、よく電池が切れたり故障したりします。なので体温計も持っていった方が良いです。
抗原検査キットやパルスオキシメーターは、ゼロコロナ政策下の中国では日本よりずっと安く入手できました。しかし、オミクロン株の感染拡大が進んだ2022年12月現在は入手が難しいのため、日本の方が高いものの万が一の時のために持参した方が良いです。
中国には欧米系の医薬品メーカーが多数進出しています。
ローカル薬局でも解熱鎮痛剤の泰諾(タイレノール)、布洛芬(ブルフェン)などが入手可能です。
外用薬としては小林製薬の退熱貼(熱さまシート)も中国で大人気で、スーパーやコンビニでも売っています。
日用品
なぜ掃除グッズが必要なのでしょうか?
以前隔離ホテルは「この市であればここ」とたいていどのホテルで隔離されるか決まっていたのですが、今はどのホテルになるか都度変わるので、中国人には「隔離ホテルガチャ(隔离酒店盲盒)」と言われています。
知人親子が上海で入ったホテルはまさにハズレ。床はホコリだらけで、まず掃除から始めたそうです。
なのでコロコロ等の掃除道具が隔離期間中に役に立つこともあります。
日本からせっかく海外両用の家電を持っていっても、中国は三つ股のプラグが多いので変換プラグも持参した方が良いです。
隔離中はシーツ等は数日おきに替えてくれるものの、ランドリーサービスはありません。
洗面所かバスタブで下着などを洗濯する場合は洗濯洗剤も必要です。
小さな洗濯物干しがあれば、部屋の加湿にもなります。
シャンプー・リンスや歯ブラシ・歯磨き粉は、備え付けで無い可能性があります。また、備え付けのリンスインシャンプーを使ったら髪がゴワゴワになったという話も聞きますので、日本で使っている自分に合った物を持っていった方が良いです。
お弁当には紙コップや使い捨ての割り箸がつきますが、マグカップもあると便利です。マグカップは持参したお茶やお味噌汁、スープを飲むのに役立ちます。
中国南方の場合は、隔離ホテルに暖房がついていません。
そのため部屋が寒くて風邪をひきかけたという話も聞きます。
カイロも持っていくと安心です。
ほとんどの日用品が、現地調達可能です。普通のスーパーでも日本の日用品と変わらないものが揃っています。
中規模以上の都市ならば、ローソン、ファミマ、セブンイレブン等の日系コンビニや、イオンやダイソー等もあって便利です。
資生堂や花王が早くから中国に進出しているため、一般的なシャンプーリンスや化粧品は揃います。また、タオバオを使えば更に入手可能な日用品の幅が広がります。
ただし中国現地製造ではなく日本製造のものは高いので、お気に入りの銘柄のシャンプーリンス、化粧品は日本から持ってきた方が良いでしょう。
生理用ナプキン(ソフィ、ロリエ等)等は、中国で生産しているのでどこでも入手できるし安いです。お子さんの紙おむつ(メリーズ、ムーニー、グーン等)もローカルスーパーで手に入りますが価格が高いので、駐在員ではまとめて船便で送る人もいます。
その他あれば良いもの
“隔離ホテルガチャ”で外れのケースでは、何と窓のない部屋に当たった知人もいます。
私もベトナムで窓の無い部屋に泊まった事があるのですが、外の景色が見えないと時間の感覚が無くなり気分も沈みがちです。
そんな時、気分をリフレッシュ出来る本等や身体を動かして気分転換するためにも、必須では無いけれど暇つぶしに良いものは何か持っていくのはお勧めです。
本、Kindle、動画、ゲームなどです。
ホテルでの集中隔離期間が5日間に短縮されたものの、出来れば有意義に過ごしたいものです。
これまで読んでいなかった小説や中国語の本、ダウンロード済みの動画を観てリラックスするのも良いかもしれません。
ヨガマット、縄跳びなどです。
まとめ:隔離期間を念頭に、慎重に持ち物を決めましょう
ホテルでの隔離期間は、「現地調達」をすることがほとんどできません。
その意味では、コロナ前に比べて渡航時に日本から持っていくべきものは確実に増えています。
また、予想もしなかったものが必要になり、持っていかなかったことを後悔するケースも多くあります。
この記事が、渡航する際の持ち物選びの参考になれば幸いです。